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夏影
さよならをするために2013
夏の落とし文
夏影 + 山田村消防団
夏の落とし文

TT

長戸君は、僕が所属していた劇団、東京キッドブラザースの後輩です。
といっても長戸君が入って数年で僕は劇団を離れたので、一緒に舞台に立ったのは3本くらいだった思います。
それでも彼の印象は強力で、あまたいる後輩の中で異彩を放ってました。
”孤独を背負った迷い犬“そんな雰囲気が漂っていたのです。
色気はあるし、なつっこい、そのくせ下手に手を出すといきなり噛み付く面倒な奴といえば、イメージが湧きやすいでしょうか。
ああ、この子は伸びるだろうなと思ったとおり、あっという間にキッドのセンターに立つ存在になっていったのはご存知の通りです。
キッドを離れてからは、劇場で会ったり、飲み屋で遭遇したりしたけれど、あいさつ程度でそれ以上の交流はありませんでした。
彼はキッドを背負わなければという想いがあり、僕はIOHを立ち上げていたので、
ライバルなんておこがましくて言えないけど、互いの立場で微妙に意識しあっていたのだと思います。

二人でキチンと話したのは2011年の春、出演依頼をするため一緒に飲もうと僕が長戸君を誘った時です。
最初はぎこちなかったですよ、なにしろ二人で飲むなんてキッド時代以来ですから。
長戸君は突然の誘いに戸惑っていたはずで、僕は僕で出演依頼をいつきりだそうかとタイミングを計っていました。
いい加減酔っ払うまで、腹を探り合ってるみたいな1時間を過ごし長戸君がついに…。
「で、林さん今日はどうしたんですか?」
「うん、実はね6月にある僕の舞台に出てみない?」
「え? ああ、そういうことですか。…僕で良ければよろしくお願いします」
オイオイ、即答かよ!? と驚きつつも一気に盛り上がり、1軒目から2軒目にはしご酒、空白の20数年を埋めるように、ベロベロになるまで語り明かしました。
あれから2年、今では一番出演してもらっている男の俳優さんです。
去年の4月から一年ちょっとで、僕が作演出した舞台だけで6本連続出演ですから!
それ以外に自分が主宰する東京印が2本、他の舞台が3本という事は11本!? これってどうなの? 
長戸勝彦は侠気の役者ですから求められると頑張ちゃうんだと思います。

今年の4月、東由多加さん(東京キッドブラザースの主宰)の命日、稽古が終ってから二人でお酒を飲みました。
ほど良く酔っ払ったころ、長戸君が居住まいを正し、
「お互い50歳を迎え(僕は3年過ぎてますが)あとどれくらい芝居ができるかわからないけど、できるところまで走ってみましょうよ!」
「そうだね。…でも俺も東さんが亡くなった歳になるし、いろんなことを考えるんだ」
「まだ行けますって! 林さんが俺を必要だったら言ってください。出演しろというなら全部出るし、出来ることはなんでもしますから!」
「ありがとう…」
やっぱり長戸勝彦は侠気のある役者だなと、改めて確信したのでした。
ということで、連続7本目出演が『キミサリ』です!
少しずつバイプレイヤーのスタンスを固めつつありますが、今回はド主演をお願いしました! 
長戸君を応援している皆さんも、お芝居の中心で演じる彼の姿を観たいと思います。それは僕も同じ気持ちです。どうぞ、ご期待ください!

9月5〜9日まで6回公演を長戸君に託します。後半違う役での出演も考えましたが、二人で話し合い、この6回公演に全てを注いでもらうことにしました。
どうぞ、ご了承ください。

木根尚登

俳優/木根尚登
長戸勝彦

俳優/長戸勝彦
林邦應

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