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夏影
さよならをするために2013
夏の落とし文
夏影 + 山田村消防団
夏の落とし文

TT

 『木根さんは素敵な役者です!』
まず、結論から始めます。
僕も30年以上、この世界の片隅で生きてきました。
もちろん僕の関わっている部分は、とても狭くて小さな場所ですが、続けてきた分、それなりに沢山の役者さんたちと付き合ってきました。
僕が、自分の芝居の主演をしていただきたいと思う役者は数えるほどしかいません。
そして木根尚登さんは、僕の世界を任せられる役者なのです。
まず身にまとっている空気が好きです。
優しくてシャイで、マイペース、そのくせヤンチャでせっかち。
そんな木根さん自身が、舞台上で自然とにじみ出ています。
あと言葉が耳に残ります。これってとても大切なんだけど、わかっていない役者が多いです。
時々いませんか、台詞回しは素晴らしいけどまったく頭に残らない役者さん。
シンガーソングライターである木根さんだからでしょう、セリフって記号ではなく、人間がしゃべる言葉であり、そこには必ず人間としての意志がある…、
という事を自然とわかっていて、それを表現出来るんだと思います。
そしてあの声ですから、ますます言葉が心地よく耳から入り、心にスッと染み込んでくる。
もはやいう事ないでしょ? 

そんな役者・木根さんが主演する舞台舞台『キミサリ きみ去りしのち2013』が9月に幕を開きます!!
劇場にいらした皆さんが、楽しめ、そして心が震える世界(舞台)を役者・木根さんと共に創っていきます。ご期待ください!

と、ここまで書いてきましたがペンが止まりません。
ちょっと長くなりますが、木根さんとの出会い、第一弾、第二弾の思い出も書いちゃいます。すこしだけお付き合いください。
最初にお会いしたのは、下北沢の喫茶店だったはずです。
トレードマークのサングラスをした木根さんは、テレビで観ていた人その人です。
そりゃ緊張します。でも開口一番「面白かった。なんか林さんの舞台って、僕の歌の世界と通じるものがあるんだよね…」この一言で、僕はノックアウトされました。
初めて会ったとは思えないほどいろいろ話をしました、最後に「いつか僕の舞台に立ってください」とお願いできるくらいに…。
実現したのはそれから5年後でした。
『家族対抗歌合戦』(2005)という芝居を憶えていますか?
聴覚に障害を持った娘を持つ、千葉の田舎のミュージシャン上がりの水道屋さんという役で、木根さんは初の主演舞台に立ちました。
役柄を、少しだけ木根さんの履歴にリンクさせた、愛おしい家族の物語でした。
大まかなストーリーをつくり、食事がてらミューティングをしていた時のことです。
軽くお酒を飲んでいた僕は、勇気を振り絞ってお願いをしました。
「あの…やっぱり、サングラスでは舞台は無理だと思うんですよ、大丈夫ですか?」
「だよね、水道屋だもんね、わかりました」
「で、ですね。ちょっとだけ今はずしてもらうこと出来ますか?」
「…いいですよ」
一瞬の躊躇のあと、あっさりとサングラスをはずす木根さん。
「こんな感じですけど、大丈夫ですか?」
「もちろんです!!」
サングラスに隠された木根さんのつぶらな瞳を見た途端、
心の中で“あー! ここに愛上勇二(えがみ ゆうじ:木根さんの役名)がいる!”
とガッツポーズをし、一気に台本を書き上げました。
挿入歌『青い空の白い月』という名曲と共に、舞台上で生き生きと笑い、怒り、そして涙しながら想いを語る木根さんの姿を、
今でもはっきりと思い出せるのは僕だけではないと思います。大好きな作品の1本です。

そして2009年の暮、音楽劇『天使の涙』という作品が生まれました。
木根さんの短編小説にインスパイアされたと同時に、トーク&ライブの雰囲気を舞台にしたいと思って創りました。音楽と演劇の融合、まさに音楽劇です。
そういえば『家族対抗歌合戦』の稽古場で、至極真面目な顔で
「手ってどうしたらいいんですか?」
と木根さんに聞かれたことがあります。質問の意味が一瞬わからず絶句している僕に、
「人前に立つ時はほとんどギターを抱いているので、ない場合どうしていいかわからないんです」と。
ギタリストならではの言葉に、稽古場の空気が、笑いで震えたことを憶えています。
『天使の涙』では、コンサートのリハーサル中という設定だったので、そんなストレスはなく音楽と演技に集中していただきました。
これもムチャクチャ楽しかったです。
その雰囲気はCD『天使の涙』で堪能していただけると思います。
何かの折に、このCDをかけています。
音楽って凄いですよね、聴いているだけでいろんなシーンが頭の中の引き出しから飛び出してくるのです。うらやましい…。
舞台はDVDにしない限り、その場で消えていく宿命の芸術です。
たとえDVDにしたとしても、それはやっぱり別物なんですよね…。

そんな訳で『キミサリ きみ去りしのち2013』で、また沢山の思い出が生まれるでしょう!今から楽しみです!!

木根尚登

俳優/木根尚登
長戸勝彦

俳優/長戸勝彦
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